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天神様の商品知識

このページでは商品としての天神様について解説します。掛軸天神様の購入の際に役立ててください。

1 天神様の種類
掛軸の天神様 最も一般的な様式です。多く売れる価格帯は20万円程度のノーマルMサイズ(尺八巾)です。
木彫りの天神様 富山県南砺市井波地区周辺で多く生産されています。最も多い価格帯は30万円程度です。
限られた写真のみで購入の判断をされることはお勧めできません。
ぜひ一度ご来店されて現品を確認してください。
その他天神様

額装

木目込

木目込ケース入り
2 掛軸天神様の大きさ
ノーマルMサイズ(尺八巾) 最も多く売れている大きさです。本紙(表具前の絵)の巾が約1尺8寸(約55cm)。 完成品の幅は一番広いところ(軸先の左端から右端まで)で75cm、丈は200cm程度です。 丈は飾る場所に合わせて30cm程度までは縮めることができます。(別料金) 多く売れる価格帯は20万円程度です。
ノーマルSサイズ(尺五巾) 旧来から多く用いられている大きさです。本紙(表具前の絵)の巾が約1尺5寸(約45cm)。 完成品の幅は一番広いところ(軸先の左端から右端まで)で65cm、丈は180cm程度です。 丈は飾る場所に合わせて20cm程度までは縮めることができます。(別料金) 多く売れる価格帯は20万円程度です。
スマートサイズ(尺巾四尺) 飾る空間があまり要らない大きさです。本紙(表具前の絵)の巾が約1尺(約30cm)。 完成品の幅は一番広いところ(軸先の左端から右端まで)で45cm、丈は120cm程度です。 多く売れる価格帯は15万円程度です。
コンパクトサイズ(尺巾三尺) 洋間にも置けます。 飾る場所を選ばない大きさです。本紙(表具前の絵)の巾が約1尺(約30cm)。 完成品の幅は一番広いところ(軸先の左端から右端まで)で45cm、丈は90cm程度です。 多く売れる価格帯は10万円程度です。
3 掛軸天神様と量産品掛軸の違い
一般の量産品掛軸(尺五巾) 最も多く売れている一般の掛軸の様式です。プレスする機械(畳1枚ほどの大きさのズボンプレッサーのような機械)を用いて量産します。 価格が3万円以下の商品は、ほとんどが落款(絵の下の端に書かれている署名)を除いて印刷です。 表具の形式は三段表装(絵の周りのみ表具用の表布を用いて、上と下は別な布を使う)が多いです。
量産品様式の天神様(尺五巾) 量産品掛軸と同じ製法で作られた天神様です。印刷の原稿を替えただけなので、価格も一般の量産品掛軸と同様です。
通常の掛軸天神様(尺五巾) 表具職人の手で1つずつ表具された掛軸です。表具の様式は真の行(通称 本丸表装)。 仏事掛軸(仏さま、観音さま、名号[南無阿弥陀仏])など拝む対象としての掛軸に用いらける豪華な形式です。 絵と外側の表具布の間に中回し(内側の囲い)がついて囲いが二重になっています。
4 桐箱
掛軸を納める桐箱 昔は桐箱は高価でしたが、現在掛軸用の桐箱は外国から安く大量に輸入するため、ほとんどの掛軸(1万円程度以下の物を除いて)が桐箱に納められています。 特注サイズのような例外を除いて、箱書き(桐箱の蓋の表や裏に題名や落款を入れること)前の生地の桐箱ほとんどが外国製です。
5 塗箱
表面を塗装した木製の箱 お寺など仏事用の掛軸によく観られまる様式です。桐箱を保護するための箱です。20万円以上の掛軸天神には塗箱が付いていることが多いです。
6 タトウ箱
一番外側の紙製の箱

一般のタトウ箱

化粧紙を貼ったのタトウ箱

布張りのタトウ箱

高田卸方屋オリジナル布張りタトウ箱
7 風鎮
風に煽られて掛軸が痛まないようにするための重しです

オニックス(大理石)の風鎮
安価なためサービス品としてよく使われます

陶磁器の風鎮
(写真は九谷焼です)

高田卸方屋オリジナル
九谷焼永楽六角梅鉢紋
8 太巻
経年に因る絵の横シワの抑えるために掛軸を緩やかに巻くためのものです

太巻で軸棒(掛軸の下の棒状の部分、巻く芯)を挟みます

そのままゆっくりと巻いていきます

桐箱に納まった状態です
9 軸先
掛軸を巻く時に手に持つ部分で様々に素材が使われています

プラスチック
安価なため量産品よく使われます

木製
黒檀が使われることもありますが、少量なので比較的安価です

陶磁器です

動物(主に牛)の骨です
象牙に似ているので通称代用と呼ばれます

高田卸方屋オリジナル
九谷焼永楽梅鉢紋

象牙です
写真では代用と区別がつきません
現物を確認して購入されることをお勧めします
10 宇陀表装

裏打ちに手漉き和紙を利用した表具の製法です
手漉き和紙は大きさに限界があるので、継ぎ目の部分が50cmおきに水平な線で現れます
不良品と誤解され易いですが高級品の証拠です

矢印の先が継ぎ目の部分

掛軸の裏側から見た継ぎ目の部分
11 四隅合せ
表具布は4つのパーツ(上から天、柱が2本、地)があります。その接合部分の柄を合わせる技法です。 表具布は始めに縮み(布を水に浸して織物の歪みを除くこと)をかけます。その際に布は5%程度縮みます。縮む程度は布によってまちまちです。 熟練した高度の技量が必要です。
この技法は高田卸方屋が考案し表具工房と共同開発を行ったものです。高田卸方屋の商品名は「京正表具」です。
ノーマルサイズ(尺八巾、尺五巾)は原則として「京正表具」を採用しています。
一般の表具 四隅の柄が合っていない表具
「京正表具」並 四隅の柄が合っている表具
左右対称の図柄(幾何学模様)が繰り替えされているもの
「京正表具」上 四隅の柄が合っている表具
左右対称でない図柄(鳳凰や花)が複雑に組み合わされているもの