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京正表具とは、掛軸の布地のつなぎ目の柄がきれいに合っている表具です。下の図のように、掛軸は絵(まくり)と四片の布地でできています。反物の状態の金襴を裁断 して、 縦の布地(柱二本)と横の布地(天と地)をつくり、絵を囲むようにつなぎます。一般の表具は布地の合せ目の柄はほとんど合いません。「京正表具」は通常より もはるかに多い工程を重ねることによってつなぎ目の柄を四隅とも合わせています。

天神軸は一年のうち大半を箱の中で保管します。そのため、時期になって天神様を出してみると、巻きジワがついていることも多いようです。巻き方が悪いと、せっかくの作品を傷めてしまいます。 「太巻」を使うことによって、掛軸を上手に、楽に、きれいに巻き上げることができます。

掛軸を最初に無垢の桐箱に納め、次に桐の塗箱に入れます。そして最後に西陣織の金襴を張った外箱に納めます。大切な天神様の保存と、贈り物としてご満足いただける豪華さの、二つの長所を兼ね そなえている「布張二重箱」は、贈る側にも、いただく側にも大変喜ばれます。

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